東西南北見ブ録

にゅーすもすなるブログといふものを、我もしてみむとてするなる。

今日の夕飯、何にしようか。

「今日の夕飯、何にしようか。」

電車の中で、隣に座った老人が奥さんに話しかけた。

杖をついたおばあちゃんと、それに寄り添うおじいちゃん。

「そうだねぇ、帰る前にヨーカドーに寄ろう」

なんとも平和な会話だった。

隣には肩を強張らせて、泣くまいと堪える19歳の大学生が座っているのに。

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戸惑い、不安、怒り、呆れ、心配、強がり、泣き言。将来の夢、目標。彼らへの想い。これまでのこと。これからのこと。思ったこと、全て。誰のためでもない、自分のための対話、記録。

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15時45分。学校を出た。隣には友人が1人。学バスを降りて、電車に乗り換える。他愛もない、普通の会話。さっきまでの授業の話、サークルの話、昨日終わったドラマ撮影の話。明日までの脚本課題の話。

お腹が空いた、ケーキが食べたい。

ケーキ屋さんでバイトをしていた彼女と、カメラロールに残るケーキ写真の見せ合いっこ。

私のカメラロールの中には、グリーンマイルの時に食べたケーキ、テゴちゃんの誕生日に食べたケーキ、お姉ちゃんの誕生日のケーキ、クリスマスケーキ、私の誕生日ケーキ、お母さんの誕生日ケーキ。イチゴ狩りに行った時のイチゴタルトに翌日のお父さんの誕生日ケーキ。お父さんがおじいちゃんのお見舞い帰りに買ってきたケーキ。慶ちゃんの誕生日のケーキ。

この10ヶ月間で、沢山のケーキを食べていた。

ケーキ食べすぎ、なんて笑いながら、友達の視線が気になった。…いつもこんな、目を見て話す子だったっけ?

乗り換える駅に着き、友達と別れた。いつもはもう一つ先の乗り換えまで一緒なのに、今日は違う駅に行くんだって。

へぇー、なんて思いながら、ケータイを開いた。

 

信じたくなかった。またガセかな?って思った。でも、みんながその話をしていた。

everyの動画が回ってきた。さすがに動画は見られないと思って、飛ばしてスクロールした。

辛い。信じたくない。待ってるよ。もっと考えて行動して。

TL上に溢れる、マイナスな言葉、プラスな言葉。どれも言いたいことは分かるけど、一言も入ってこない。共感できない。何も思わない。一旦画面を落とす。

 

…あぁそうか、あの目。あの子は、これを知ってたのかな。気を遣って、他愛もない話をしてたのかな。気を遣って、電車も変えたのかな。

 

ふと、そんなことを思った。

ありがとうとも、嫌だなとも思わなかった。ただただ、ほっといて欲しかった。1人になりたかった。

泣くのをこらえて、ホームにきた電車に乗った。空いていた席に座る。

呆然としながら、スマホのスリープをとく。

「…どうぞ、座ってください」

隣に座っていた高校生が席を譲った。

見れば、杖をついたおばあさんと、それを支えるおじいさん。

「…どうぞ」

反射的に立ち上がり、おじいさんに席を勧める。

「いやいや、俺はいいから」

「や、2人で座った方が」

「大丈夫だから」

「いやどうぞ」

「そんな仲良くないからw。大丈夫」

そんなやりとりを繰り返して、結局私は席に戻った。これ以上、何も話したくない。

「この人が座れたらいいから」

おじいさんの言葉に頷きながら、またスマホを開く。さっきよりコメントの増えたツイッター。everyは当面出演しない。活動自粛。ドラマとテーマソングに変更なし。増田さんの作った衣装の話。てごちゃんは今頃ロシア。シゲは明日ビビットか。

バラバラな情報が一度に入ってくる。

大学の友達とつながっているリア垢に行き、声をかけないでほしい、ほっといてほしい、何もリアクションはいらないと書き込んで通知を切った。LINEの通知も。

…そうだ。最寄り降りたら神社に行こう。

最後の乗り換えを終えて、また席に座る。

絵馬とか書いてみようかな。何を書けばいいのかな。伝えたいこと、願いたいことを一生懸命考える。また4人で歌ってほしい。笑ってほしい。応援したい。

smileの歌詞が頭に浮かぶ。LPSの歌詞と混ざる。笑える日がくればいい。泣いたって笑ったって明日はくる。

急に、ブワっときた。リュックで顔を隠して目を閉じる。何か別のことを考えよう。明日までの脚本書かなきゃ。何書こう。ダメだ、何も思いつかない。

電車を降りて、一度トイレに行く。家まで我慢できなそうだった。

改札を出て、駐輪場で自転車に乗る。神社は家と反対方向。

神社の前で、自転車を降りる。そういえばこの神社、駐車場とかなかったな。鳥居の側に停めて、階段を上る。手が震えだした。手を洗って、境内へ。賽銭箱の前で財布を開く。44円。こんな時まで4にこだわって。ニ礼二拍手。両手を揃えてお願いをする。

どうか、どうか。

一礼して数段降りる。境内には人影なし。絵馬は買えなさそう。まぁいいや、どうせ声なんてかけられなかったし。

自転車に乗って家まで走る。広い家、細い道。憎たらしいほどに青い空。大好きな田舎道。6年間通った小学校の側を通りすぎる。数年前に店先で迷い猫を見つけた中華料理屋さんは潰れていた。今は普通に人が住んでるみたい。ご近所さんとすれ違って会釈。

ただいま、我が家。ハリネズミのぽんちゃんはウンチまみれで眠ってる。のんきだね、あんたは。抱き上げて小屋掃除。お昼寝を邪魔されて不機嫌そう。

「大丈夫だよね?」

ぽんちゃん相手に呟く。セラピーアニマルじゃないから、何も感じないんだろうけど。いつもより大人しく感じる。そのまま、しばらく撫でて。ご飯をあげて、お水をあげて。ぽんちゃんはまた、小屋に戻って寝始めた。

ツイッターを開く。正直今は見られないなって人をミュート。何人かのツイートを見てまた泣く。何かしてないとダメだ。洗濯機を回す。まだ5時半。大丈夫。

テレビをつける。everyはまだ見たくない。録画したドラマだ。警視庁捜査一課9係。いのっち。カット割りのこと、場面転換の撮り方。昨日までの撮影で気になったところを意識して見る。なるほどな。やっぱこうなってるんだ。

好きなことをして少し落ち着いた。everyも見てみよう。

たった数分。カット割りのことが頭に浮かんだ。あ、こんなに冷静に見れるんだ、私。たしかに複雑な気持ちのままだったけど。慶ちゃんのコメントを受けて、藤井さんのピンショット。慶ちゃんを映さないことで、everyの意見として、慶ちゃんのコメントとは差別化。頭を下げる時は2ショットで一員として迎え入れる。私の勝手な推察だけど。優しいねeveryは。慶ちゃんのコメントもうまかった。「しかし」を被せ気味に言うことで、そこの言質だけ切り取られないようにする。編集次第でなんともなっちゃうんだけど。少なくとも、素人によるネガティブな拡散は難しいと思う。テレビって怖いな。ここまで考えて動くんだ。

明日のビビットのことは考えたくない。どんな顔して、何を言うのか。どう扱われるのか。

テレビを消して、風呂を洗う。食器を洗う。洗濯物を干す。

明日の脚本課題、どうしよう。

学校なんて行きたくない。もうどうでもいい。でも投げ出したくはない。やめたくはない。負けたくはない。

書きたいものを書きなさい。テーマは自由。1時間のドラマを書くこと。

指定が何もないとうじうじ考えちゃうわけで。私は何が書きたいんだろう?

入学試験の面接を思い出す。

どうしてテレビマンになりたいと思ったのか?具体的には何がしたいのか?

私がなりたいのは脚本家・演出家。ドラマに携わりたいけど、最近はバラエティーもいいなって思ってる。

そう思ったきっかけは、やっぱりNEWSだった。

イッテQのてごちゃんが好き。走魂のかっこいいシゲが好き。チームワークの良さ。楽しそうな表情。各々が頑張っている番組。NEWSのおかげで、テレビに興味を持った。NEWSはいつも私の憧れだ。

テレビ業界がキラキラしたものじゃないなんて私が1番わかってる。誰かに言われなくても、そのくらいは自分でちゃんと判断できる。未来なんて何も分からないけど、それでも私はこの道に進むことを選んだ。

てごちゃんの担当しているサッカーアース不定期の番組だから、その時間帯を他の番組がやるときもある。私は去年まで、その他番組に関わらせてもらっていた。収録の合間に聞いた、サッカーアースの話。別スタジオで撮影していた様子も知ってる。今年、私の担当番組は改変でなくなった。サッカーアースに食われたともいう。悔しかったけど、誇らしかった。負けたくないって思った。頑張れって。そっちは負けるな、ずっと続けって。

BLUEが決まった。嬉しかった。今までの曲とは違う、努力を知ってるからこそ嬉しかった。これからだって。

今ツアーはN・Eときた。まだある、途切れないって思わせてくれたのが嬉しかった。W・S、期待していいんだって。

この15年、本当にいろいろあった。私の知ってる8年半もいろいろあった。ずっと怖さが付いていた。今はもう大丈夫だって。今回のツアーをみて思ったのに。

でもまだ信じたい。大丈夫だって。今までだって大丈夫だったんだから。人生最悪の日はもう経験したの。私の人生あれ以上最悪にはならないの。幸せの途中は不幸じゃないって、ずっと信じてる。幸せになるんだ。絶対。

脚本何書こう?ある程度は決まってた。キラキラした世界。でも現実はキラキラなんてしないって知ってしまった。ドロドロしてて、グチャグチャで。どんなに辛くても、世界は止まらず動き続ける。ハッピーエンドなんてあるのかな。ちゃんと、完結できるのかな。

それでも私はキラキラした世界を書きたい。ドロドロの中から、キラキラをすくい上げたい。キラキラをみて、幸せになりたい。幸せにしたい。ドラマくらい、ハッピーエンドを迎えたっていいじゃない。ハッピーエンドは自分で作る。

だから私はこの道に進んだ。ずっとずっと、私のキラキラはなくさない。自分で守る。いつかきっと、ハッピーエンドを迎えるんだ。

道は決まった、もう迷わない。負けたっていい、でも最後には絶対勝つんだ。

 

さて。

今日の夕飯、何にしようか。